うつ病になると住宅ローンの審査や返済はどうなる?負担を減らす方法も解説

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うつ病になると住宅ローンの審査や返済はどうなる?負担を減らす方法も解説

これからマイホームの購入を検討されている方であれば、住宅ローンの利用をされる方は少なくないでしょう。
そのなかでも、健康上に問題を抱えている方であれば、住宅ローンの審査を通過できるかどうか不安になることも多いかもしれません。
健康上の問題にもいろいろありますが、うつ病を患ってしまうと住宅ローンの利用や返済に、どのような影響があるのでしょうか。
そこで今回は、うつ病を患うと住宅ローンが組みにくくなってしまう理由や住宅ローンを組めるケース、住宅ローンの返済中にうつ病になってしまった場合について解説します。

うつ病を患うと住宅ローンが組みにくくなってしまう理由

うつ病を患うと住宅ローンが組みにくくなってしまう理由

うつ病などの精神疾患を患っている場合、住宅ローンを組むのが難しくなることがあります。
その主な理由の一つに、「団体信用生命保険の加入が必須」という条件があります。
ここでは、うつ病と団体信用生命保険の関係や、住宅ローンの審査に影響する理由について解説します。

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンを借りる際に借り入れ者が加入することが義務付けられている生命保険の一種です。
この保険は、ローンの返済中に借り入れ者が死亡、もしくは高度障害になった場合、残りのローンが全額支払われる仕組みです。
これにより、家族がローンの返済負担を負うことなく、住み慣れた家に住み続けることができるようになります。
団信は、多くの金融機関で住宅ローンの契約時に必須の条件とされており、加入しない限り住宅ローンを利用できない場合がほとんどです。
とくに、団信があることで、借り入れ者自身だけでなく、家族にとっても大きな安心感を提供するため、多くの方々が住宅ローン契約時にこの保険を選択しています。

健康状態と団体信用生命保険の関係

団信に加入する際には健康審査が必要です。
この審査では、申請者が現在の健康状態や過去の病歴について申告し、その情報に基づいて保険の引き受け可否が判断されます。
うつ病などの精神疾患がある場合、団信への加入が拒否される可能性が高くなります。
なぜなら、うつ病は、再発リスクや治療の長期化が懸念されるため、保険会社にとってリスクが高いと見なされるからです。
そのため、審査が厳しくなり、団信に加入ができず住宅ローンを組みにくくなってしまうのです。

審査を突破するためのポイント

もし、うつ病を患っている方が住宅ローンを組もうと考えている場合、まずは現在の健康状態をできるだけ安定させることが大切です。
治療が順調に進み、症状が落ち着いていることを証明できる場合、団信の審査を突破する可能性が高まります。
また、金融機関によっては、うつ病でも加入できる特約を設けている団信を提供している場合もあるため、複数の金融機関での比較検討が重要です。
さらに、団信が難しい場合には、団信なしで住宅ローンを提供している金融機関に相談することも一つの手段です。
これにより、マイホーム購入の夢を諦めずに、適切な選択肢を見つけることができるかもしれません。

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うつ病を患っていても住宅ローンを組めるケースと選択のポイント

うつ病を患っていても住宅ローンを組めるケースと選択のポイント

うつ病を患っていても住宅ローン組める可能性が全くないわけではありません。
以下で、うつ病を患っていても住宅ローンを組めるケースについて解説します。

告知事項に該当しない時

うつ病を患っていても、状況によっては住宅ローンを組めるケースとして、まず挙げられるのが「告知事項に該当しない」場合です。
先述したように、団体信用生命保険(団信)に加入する際、健康状態を告知する必要がありますが、うつ病が審査に影響するかどうかは症状の程度や治療状況によって異なります。
たとえば、軽度のうつ病であり、長期間にわたり症状が安定している場合や、現在治療中ではない場合には、告知事項に該当しないと判断されることがあります。
こうした場合には、通常の団信に加入できる可能性があり、住宅ローンをスムーズに組むことができるでしょう。

ワイド団信への加入

ワイド団信とは、通常の団信よりも健康状態に関する基準が緩やかな団信です。
うつ病を含む精神疾患を患っている場合でも、ワイド団信に加入できることがあります。
ワイド団信は、保険会社ごとに引受基準が異なるため、複数の保険会社を比較検討することが重要です。
たとえば、ある保険会社では、軽度のうつ病であればワイド団信に加入できるが、他の保険会社では難しい場合もあります。
そのため、ワイド団信を利用する際には、事前に各保険会社の基準を確認し、最も適した保険商品を選ぶことが求められます。

団信の加入が不要な住宅ローンを利用する

最近では、一部の金融機関が団信加入を条件としない住宅ローンを提供しています。
これにより、団信に加入できない場合でも住宅ローンを組むことが可能です。
団信なしのローンは、リスクが高いため金利が高く設定されることがありますが、選択肢として検討する価値があります。
また、団信なしでも、他の保険に加入することでリスクを軽減できる場合もあります。

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住宅ローンの返済中にうつ病になってしまった場合について

住宅ローンの返済中にうつ病になってしまった場合について

住宅ローンを組む際には、健康状態に問題が無くても、住宅ローンの返済中にうつ病を患ってしまう方もいらっしゃいます。
うつ病を患って働けなくなってしまった場合、住宅ローンの返済は生活の負担になってしまうことが考えられます。
以下では住宅ローンの免除について、また、どのように返済の負担を減らすことができるのか解説します。

住宅ローンは免除されるのか?

住宅ローンの返済中にうつ病になってしまった場合、まず認識しておくべきことは、住宅ローンは基本的に免除されないということです。
多くの方が団体信用生命保険(団信)に加入しているとはいえ、うつ病のような精神疾患は団信の保障対象外であることが一般的です。
この点を事前にしっかりと理解しておくことが、今後の対策を考える上で非常に重要でしょう。
また、このような状況に陥った際、金融機関と早期に相談し、柔軟な対応を求めることも検討する必要があります。

返済の負担を減らす方法①:公的な保障を利用する

うつ病になってしまった場合でも、公的な保障を利用することで、一定の支援を受けることが可能です。
たとえば、病気やけがで働けなくなった場合には、国の健康保険から傷病手当金が支給される場合があります。
これは、給与の一部を補填するもので、通常1年半ほどの期間にわたって支給されます。
このような公的な保障を利用することで、住宅ローンの返済に必要な資金を一部補うことが可能です。

返済の負担を減らす方法②:民間の保険会社の保障を利用する

先述した以外にも、民間の保険会社が提供する保障も検討する価値があります。
とくに、収入保障保険や就業不能保険といった商品は、働けなくなった場合に月々の収入を補填するものです。
これにより、住宅ローンの返済資金を確保することが可能です。
これらの保険商品は、加入時の健康状態によっては加入できない場合もあります。
しかし、既に加入している場合には、うつ病の発症後も保険金を受け取ることができる可能性があります。

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まとめ

うつ病を患っている場合、住宅ローンの審査は難しくなることがあります。
これは、団体信用生命保険(団信)への加入が必須であり、精神疾患は通常保障対象外となるためです。
しかし、ワイド団信や団信なしのローンを提供する金融機関を選ぶことで、住宅ローンを組む可能性は残されており、慎重な検討が必要です。


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