線引き区域で土地購入するには?非線引き区域のメリットとデメリットを解説

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線引き区域で土地購入するには?非線引き区域のメリットとデメリットを解説

地方での土地購入をお考えの場合、その土地は非線引き区域かもしれません。
購入するメリットも多いですが、デメリットも生じるため、じっくり考えたうえで決断すべきといえます。
では、一体どのような区域なのでしょうか?
今回は非線引き区域とはなにか、取得するメリットやデメリット、家の建築は可能なのか否かについて解説します。

土地購入をするなら知っておきたい非線引き区域とは?

土地購入をするなら知っておきたい非線引き区域とは?

まずは、土地購入をするなら知っておきたい、非線引き区域とはどのようなところなのかを解説します。

非線引き区域とは?

非線引き区域とは、都市計画区域のなかでも、区域が決められてないエリアのことです。
法律で定められた名称ではなく、2000年の法律の改正前は、未線引き区域と呼ばれていました。
住居や田畑などが混在し、急激な開発の可能性が低いと予想されている場所が多いです。

土地購入における都市計画区域とは?

愛知県高浜市や碧南市、刈谷市を含む日本の国土は、都市計画法に沿って都市計画区域と都市計画区域外にわけられています。
都市計画区域とは、都市計画法によって土地利用などの規制対象となるエリアです。
人口の増加や産業の有無、自然的・社会的条件などを考慮し、開発や整備の必要があると自治体が判断した場所となります。
その一方、都市計画を考慮しないエリアが、都市計画区域外です。

都市計画法とは?

土地購入で留意したい非線引き区域とは、都市計画法と密接な関係があります。
都市計画法の目的は、都市の健全な発展と整備、国土の均衡な発展などです。
都市計画区域ではその目的を計画的におこなうため、市街化区域と市街化調整区域に分けています。
これを線引き(区域区分)と呼び、愛知県の知事によって指定されています。
愛知県とほかの県にまたがる場合、指定するのは国土交通大臣です。
線引き区域とは、都市計画区域内に含まれているものの、現時点で市街化区域か市街化調整区域か決まっていない地域を指します。

3つの区域の特徴や違いとは?

土地購入を検討する場合、3つの区域の特徴や違いを知っておくと安心です。
先述のとおり、都市計画区域内は市街化区域と市街化調整区域、非線引き区域の3つにわけられています。
市街化区域とは、優先的に市街化を促進するエリアで、すでに市街地が形成されていたり、10年以内をめどに市街地を図るべきとされていたりする場所です。
用途地域を「住居系」「商業系」「工業系」のいずれを設定しなければなりません。
それぞれ建ぺい率や容積率が異なるため「住宅街に工場ができた…」といったトラブルを防止できます。
市街化調整区域は、市街化が抑制され、自然が多いエリアのことです。
インフラが整っていないため、農業や漁業などを営む方以外が土地購入をしても、マイホームを建てることは難しくなります。
非線引き区域は、市街化区域とも市街化調整区域とも判断しにくい、あいまいな部分です。
市街化区域と市街化調整区域を線引きする場合、どうしても区分できない部分が出てきてしまいます。
そのようなグレーゾーンは保留状態となり、非線引き区域に指定されます。

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土地購入における非線引き区域のメリットとデメリット

土地購入における非線引き区域のメリットとデメリット

続いて、非線引き区域のメリットとデメリットについて解説します。

メリット:開発における制限が緩い

メリットは、開発における制限が緩いことです。
市街化区域や市街化調整区域に比べて、土地購入後は自由に利用することができます。
たとえば市街化区域の場合、1,000㎡以上の建物を建てる際は愛知県高浜市や碧南市、刈谷市などの自治体からの開発許可を得なくてはなりません。
その反面、非線引き区域では、3,000㎡までは許可を取らずに建築できるのが一般的です。
ただし、自治体によっては制限を設けているところがあるので、不動産会社に相談したり窓口で確認したりすべきといえます。

デメリット①:インフラが整備されていないことが多い

デメリットとしてまず挙げられるのが、インフラが整備されていないエリアが多いことです。
道路や上下水道、電気など、生活するうえで必要な設備が整っていない場所が多くあります。
そのため、土地購入後は、ご自身でインフラを整備しなくてはならず、たくさんの費用が必要となるでしょう。

デメリット②:周辺の環境が変化しやすい

周辺の環境が変化しやすいことも、デメリットのひとつです。
先述のとおり、開発における制限が緩いことがメリットとなります。
しかし、制限が緩いということは、家の近くに嫌悪施設(ゴミ焼却場や火葬場、下水処理場など)が建つ可能性があるということです。
土地購入後にそのような建物が建ってしまった場合、住環境が悪くなりストレスを抱えることになりかねません。
また、非線引き区域は、市街化区域とも市街化調整区域とも判断しにくい、グレーゾーンな部分です。
将来的には市街化区域または市街化調整区域に分類され、環境がガラッと変わる可能性もあるでしょう。

デメリット③:売却しにくい

売却しにくいことも、デメリットのひとつです。
非線引き区域はそもそも人があまり住んでいないため、購入する方が少ないといえます。
土地購入後、住み替えや移住、転勤など、なんらかの事情で売却するケースも少なくありません。
市街化区域や市街化調整区域に比べるとなかなか買主が見つからず、スムーズに売却できない可能性があります。
非線引き区域で土地購入をお考えの場合、将来を見据えたうえで決断すべきといえるでしょう。

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非線引き区域に土地購入すると家は建てられる?

非線引き区域に土地購入すると家は建てられる?

最後に、非線引き区域に土地購入をした場合、家は建てられるのか否かについて解説します。

家の建築は可能?

結論から申し上げますと、家を建てることは可能です。
市街化区域では、マイホームなどの家を建てることができます。
ただし、市街化調整区域の場合、マイホームを建てる際は開発許可が必要です。
非線引き区域では開発許可は必要なく、建築確認申請がとおれば、家を建てることができます。

用途地域は?

非線引き区域のなかで、用途地域が指定されているのは、駅や市役所の周辺となります。
そのため、それ以外のエリアには用途地域がありません。
範囲内であれば建築制限もないため、自由にマイホームを建てられるでしょう。

土地購入をして家を建てる際の注意点

購入する際の注意点は、住宅ローンが組みにくくなる恐れがあることです。
先述のとおり、インフラ設備が整っていなかったり、将来的に住環境が変わったりする可能性があるため、需要が低いといえます。
「買主が見つかりにくい = 売却しにくい」ということなので、対象外にしている金融機関も少なくありません。
もし住宅ローンが使えない場合は、現金一括で支払ったり、金利の高いローンを用いたりする必要があるでしょう。
ただし、地方銀行などは非線引き区域も対象としているケースがあるため、土地購入の際はまず私たちにご相談ください。

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まとめ

非線引き区域とは、市街化区域とも市街化調整区域とも判断しにくい、あいまいな部分(グレーゾーン)のことです。
市街化区域や市街化調整区域に比べて開発における制限が緩いのがメリットですが、インフラが整備されていなかったり、将来売却を考えたときに買主が見つかりにくかったりすることがデメリットとなります。
土地購入をしても、家は問題なく建てられますが、購入時に住宅ローンが組みにくい傾向にあるため注意が必要です。


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